正直なところ、新入社員の頃は会社員としてうまくやっていける自信はありませんでした。
大変なことはいっぱいあったし、辞めたくなることもありましたが、気づけば、新卒で入社した企業で勤続10年以上。管理職も任されるまでになりました。
人生の中で働く時間はかなり長いので、どうせなら楽しく、評価してもらいながら、たくさんお金がもらえたら方がいいと思っています。10年以上IT企業で働いてきた中で、うまく立ち回るために、学んだことは数え切れません。そして「いつでも辞められる」という状態を作ることが、安定した気持ちで長く働くコツだと気づきました。
この記事では、大手IT企業で10年以上働いてきた会社員女性として、リアルなキャリアの話をしたいと思います。
私のキャリアの歩み
まず簡単に自己紹介をすると、私はIT企業に10年以上勤めるスペシャリストです。
途中、マネージャーを3年経験しましたが、自ら部署異動を願い出てスペシャリスト職に戻りました。この判断は一部の周りの人に驚かれましたが、今は正解だったと思っています。
なぜマネージャーからスペシャリストに戻ったのか
マネージャーになったとき、「キャリアアップした」という感覚がありました。でも3年経って、じわじわと違和感が積み重なっていきました。
現場から離れていく感覚
マネージャーの仕事は、チームを動かし、数字を管理し、上と下の間で調整することが中心になります。気づけば自分の手を動かす機会が減り、「自分の専門職としてのスキルが磨かれていない」という焦りを感じるようになりました。
案件を自分ごととして捉えにくくなった
マネージャーとして案件に関わるのと、スペシャリストとして直接携わるのでは、仕事への関与感が違いました。「誰かに任せる」より「自分がやる」方が、私には合っていました。
市場価値への不安
マネージャーとしての経験は確かに価値があります。人を管理・指導する力や、予算を調整したり、組織を作る力。マネージメント業務をこれからもしていくには重要なスキルです。ただ、「この会社を出て、これから何をしたいか」を考えたとき、現場で活かせる専門スキルをもっと磨いてどこでも頼られる専門職としてやっていきたいという気持ちが強いことに気付きました。
結局、「管理職としてのキャリアを積む」より「専門性を高めて市場価値を上げる」方が、長期的に自分らしく働けると判断しました。
昇格ではなく横移動・降格に見える選択でも、自分の軸に沿った判断ができるかどうかが、長いキャリアでは大切だと思っています。
評価面談で10年やってきたこと
仕事において、無視できないのが、お給料・評価のことです。
「頑張っているのに評価されない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
私が思うのは、評価面談は準備がすべてだということです。評価者も経験している私が、これまで意識してきたことを紹介します。
① 数字で語る準備をする
評価者は複数の部下を評価しています。印象や感覚だけで評価していては公平性が保てないので、具体的な数字や成果を提示することが一番伝わります。数字を示すことで、上司からそのまた上の上司にアピールしてもらいやすくもなります。
私が面談前に必ず準備するのはこれです。
- 今期の目標に対して、何%達成したか
- 担当した案件の規模・成果(売上・コスト削減・改善率など)
- 定性的な貢献(チームへの影響・新しい取り組みなど)を言語化する
「頑張りました」ではなく「○○という目標に対して○%達成し、具体的に○○という成果を出しました」という形で話せると、評価者の印象がまったく変わります。
② 目標設定の段階から逆算する
評価面談は「結果を報告する場」ではなく、目標設定の時点から始まっています。
期初の目標設定でよく起きるのが、「会社から降りてきた目標をそのまま受け入れる」という状態。でもこれだと、評価されやすい目標かどうかが運任せになります。
私が意識しているのは、「この目標を達成したら、評価者にどう評価されるか」を期初に考えることです。評価されやすい目標設定ができていれば、期末の面談はずっとラクになります。
とても効果的だったのは、評価者が注目している案件により注力することです。例えば「AI活用」が会社全体でもホットトピックになっているとします。その場合、AIを活用してどれだけ成果を上げられたか。自分の多くの時間を費やして、結果を出しに行きます。
③ 評価者との普段の関係を大切にする
評価するのは最終的に「人」です。
どれだけ成果を出しても、評価者との関係が悪ければ正当に評価されにくい側面があるのが現実です。
だからといって媚びる必要はありません。普段から報連相を丁寧にする・感謝を伝える・ネガティブな発言を減らす——これだけで、評価者からの印象は大きく変わります。
「あの人は一緒に働きやすい」と思ってもらえることが、長期的なキャリアには意外と大きく効きます。
長く働くための心持ち:会社に依存しない
ここが、私がキャリアで一番大切にしていることです。
「いつでも辞められる」状態を作ること。
これは転職を勧めているのではありません。心理的に会社に依存しない状態を作ることで、仕事の質も、精神的な安定も、両方が上がるという話です。
なぜ「いつでも辞められる」状態が大切なのか
会社に依存している状態とは、「この会社を辞めたら生きていけない」という感覚がある状態です。
この状態になると何が起きるか。
- 理不尽な指示でも断れない
- 評価が下がることへの恐怖で萎縮する
- 自分の意見より、上司が喜ぶことを優先してしまう
これが積み重なると、仕事が楽しくなくなり、パフォーマンスも下がり、さらにキャリアが停滞するという悪循環に入ります。
「いつでも辞められる」状態の作り方
私が意識してきたのは2つです。
① 市場価値のあるスキルを磨き続ける
「この会社を出ても通用するスキル」を常に意識して磨くこと。マネージャーからスペシャリストに戻ったのも、この考えがベースにあります。資格・専門知識・実績——どれでもいいので、外でも通用するものを積み上げ続けることが大切です。
② 無理しない・長く続けることを優先する
10年以上同じ会社で働いてきてわかったのは、短期的に無理をして燃え尽きるより、長く続けられるペースで働く方が、最終的な成果も資産も大きくなるということです。
「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込みすぎない。体と心の余裕が、いい仕事と正しい判断につながります。
まとめ:自分軸のキャリアを作る
- 昇格だけがキャリアアップではない。自分の軸に沿った選択が長期では正解になる
- 評価面談は数字で語る準備をする。目標設定の段階から逆算する
- 評価者との普段の関係が、長期的なキャリアに大きく効く
- 「いつでも辞められる」状態を作ることが、心理的安定と仕事の質を上げる
- 無理しない。長く続けられるペースが、最終的には一番強い
「会社員として正解のキャリア」は人によって違います。でも、自分の軸を持って、会社に依存しない状態を作ることは、どんな人にも共通して大切なことだと思っています。
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